「大きな声で」 垂石眞子

「コロナにまけるな?うーん、七勝八敗かな。負け越し?」

コロナさん来日してからもう足かけ三年も滞在なさってるんで。

最初のころはもうコロナにがっぷり四つで、手洗いも五本指念入りにゴシゴシ。

除菌スプレーでテーブル、ドアノブシュッシュッ。

マスクを外すときは二本指で慎重に、目からも感染するとかでフェイスシールドとかね。

この三年の変化を思うと、少しは良くなった?

絵描きはそもそも引きこもり体質で、とかいうけどいやいやこの状況は普通ではアリマセン。

仕事は変わらず続いているのに、外出と、人に会うことが極端に減ってしまったんですナ。これはヨロシクナイ。

ヘタすると丸一日誰とも話さないナンテこともあるし。

どうやら口まわりの筋肉が痩せてきたような・・日頃いかに不要不急のおしゃべりで鍛えてきたかを思い知る。

こりゃイカン。というわけで、今ハマっているのが音読。朗読か?声を出して本を読む。それだけ。

まあ、昔からやってはいたことですが、これがなかなかヨロシイ。

絵本読み聞かせとは違うので、テンポの良い語り口や、ドラマ性のあるものを選ぶ。

純文学や、深刻な物語はアキマセン。

今、読んでいるのは「南総里見八犬伝」。

できるだけ大きな声で、読むというより語るように朗読するのデス。

漢字が多く、土地の名や人名、語り口なども難しく、何度も舌を噛んで血だらけになる(嘘)

10ページも読むと、口のまわりの筋肉が痛くなってくるので、トレーニング終了。

脳ミソにもヨロシイ。おススメでアリマス。